フィードバックやウィンセッションが生産性に与える影響の視覚化

 今では十分に市民権を得た「フィードバック」と言う言葉だが、実際は幅広い意味を持っているため非常に混乱を招きやすい。

  • 人事評価

  • 週次報告

  • ウィンセッション

  • パフォーマンスマネジメント

  • 目標設定と共有

  • 聞き取りと言語化

  • カウンセリング

  • 苦情

  • 付きっきりのアドバイス

  • 応援と励まし

  • ゴシップ

 これらはどれもフィードバックとオーバーラップしている側面があるものの、字面だけ見てみると相当イメージが違う。全て目的と方法が違うにも関わらず、作業自体には多くの共通点があり、無意識に「フィードバック」の一言で済ませてしまう。

 「フィードバックはいいぞ!どんどんやれ」と言われたところで結局皆違うことをイメージするため、暗黙の前提が揃わないまま話が進む。せっかく本を読んでフィードバックの知識を身に付けても、周りの人々は皆違うこととして理解するためその良さは伝わらない。それどころか生産性に悪影響を与えることも考えられる。


 そこでまず「フィードバック」と言う言葉を使う際、具体的にどういう作業を表すのかを定義づける。


 ここで使われる「フィードバック」とはパフォーマンスマネジメントを目的としたフィードバックである。


 パフォーマンスマネジメントとは、高いモチベーションを維持するために高頻度で情報を共有することをいう。例えば週次報告や週末のウィンセッションなどがそうだ。

 対比として、それまで既存の方法であった年に一回だけの年次報告と比較すると分かりやすい。イメージとしては次の通りだ。



 グラフの縦軸が活動量の高さ、横軸が時間軸だ。薄い色の線が年次報告で、濃い色の線が年次報告を表している。ここから何がわかるかというと、高い頻度でsmall winの共有や、情報の共有などでフィードバックをすることがチームの生産性を高い状態に維持できると言うことだ。


 反対に、一年に2~3回ほどの目標に対するフィードバックだけでは効果があまり期待できないと言うことになる。MBO(目標による管理)などがこの代表例である。なぜMBOはこれほど頻度が低いのかというと、提唱者であるドラッカーは人の主体性を高く評価しすぎたところにあったかもしれない。MBOがうまく機能しなかった要因としては、人が持つ自主性を重んじるあまり、一年を通して放任主義というリーダーシップにウェイトを置きすぎた点にある。


 確かに、非常に高いIQを持った人に対しては放任主義は高い効果を発揮するかもしれない。放っておいても勝手に成果を出すからだ。またドラッカー自身「IQが高い」の代名詞でもあるユダヤ人でもあったこともあり、子供の頃からの環境と経験から放任主義の効果を体感していたと考えられる。しかし、平均的な能力を持つ一般大多数の従業員に対して真っ先に採用するリーダーシップスキルは少なくとも放任主義ではないことは確かだ。その理由は二つある。


 一つは、放任主義は学術的には「レッセフェール」と呼ばれるリーダーシップスタイルである。レッセフェールに関する研究は非常に少ないのでその効果の検証はできていない。代わりに、それ以外のリーダーシップに関しては研究が進んでおり、それぞれの効果量の高さも判明しているためランキングも出来ている。最も効果が高いのが「倫理的なリーダー」、続いて「変革的なリーダー」である。まだレッセフェールに近い「権限付与型リーダーシップスキル」は三番目であった。合理的に考えれば効果の高さが科学的に立証されたリーダーシップスキルから試すべきだろう。


 二つ目は、1970年代にポールハーシーらによって提唱された「シチュエーション・リーダーシップ理論」ではレッセフェール型や権限付与型のリーダーシップスタイルは成熟した従業員に向いているのであって、社会人になったばかりの従業員には向いていないことを論じている。

 


 では、高頻度のフィードバックの効果を二枚の表にまとめたので紹介する。




基本的に、予想通りの結果となっている。


 特筆すべき点としては、相関関係が60%を超えている項目が3つもあるということだ。60%を超えるものだと、双子研究の遺伝率以外では見ることは滅多にない。


 コーチ塾では、2期生の後半からsmall winの共有を行うようになったが、実際にその効果の高さは実感している。仲間による励まし、締切効果などが相まってほぼ確実に計画の6割前後は達成するためだ。誰かが毎回前進しているので、勇気づけられたり、焦りを覚えたり、あるいは競争心に火がついて皆自分の目標に向けて頑張るようになる。


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Q1 健全なフィードバックと不健全なフィードバックがあるとしたら、それはどのようなものか?それぞれ一つずつ挙げ、意見を整えた上でディスカッションせよ。


Q2 付きっきりアドバイスをすることと、毎週フィードバックをすることの違いは一体何か?意見を整えた上でディスカッションせよ。


Q3 あなたが今まで最も勇気づけられモチベーションにつながったフィードバックは何か?意見を整えた上でディスカッションせよ。




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