優秀な人材ばかりだと業績は悪化する、は嘘

「優秀な人材」とは一体どういう人を言うのだろうか。少なくとも学術の分野ではその定義はシンプルだ。

  • 同じ役割を持つ同僚と比べて、極端なほど圧倒的に成果を出している人

とされている。例えば次の通りだ

  • 優秀な学者だと、平均的な学者よりも年間の出版数が5倍ほど多く書籍の執筆依頼も多い。

  • 優秀なアスリートだと、平均的なアスリートよりも年間の勝利数が12倍ほど高くファイトマネーも高い。

  • 優秀なプログラマーだと、平均的なプログラマーよりも1時間に入力する行数が4倍ほど多い。

  • 優秀な介護士だと、平均的な介護士よりも入居者をお風呂に入れる人数が2.3倍ほど多い。

  • 優秀な営業マンだと、平均的な営業マンよりも年間の契約数が14倍ほど高くインセンティブが高い。

  • 優秀な研究者だと、平均的な研究者よりも受賞歴が7倍多く、書籍の執筆依頼や取材の依頼が多い。

  • 優秀なお笑い芸人だと、平均的な芸人よりもテレビの出演数が130倍多くよく稼いでいる。

などだ。各分野でずば抜けた成績を残す人を「優秀な人材」と定義している。これら優秀な人材は、往々にして会社から高い給料を支払われているか、スポーツ競技で優勝する、ノミネートされ最優秀賞の受賞などによる獲得金が多い。


言い換えると、IQによる判断や性格特性による判断ではなく、獲得した金額などで間接的にそれが優秀な人材がどうかを評価すると言うことだ。そこで、多分野の業種から得られた80万人分のデータをもとに、優秀な人材が多いことで業績がするのかどうかを検証したデータを一枚のグラフにまとめた。



この表は、上位1%の優秀な人材と、それ以下の人材が稼ぐお金にどれほどの差があるのかを表したグラフだ。


先ほども述べたように、「賃金の高さ=優秀さ」と定義しているので、「賃金に差がある=能力に差がある」ことを示唆している。


この表から何が分かるかをまとめると次の通り

  • 下位40%と上位1%を比較すると、2.9倍から20.29倍ほど生産性に差がある。

  • 上位30%と上位1%を比較すると、1.62倍から11.5倍ほど生産性に差がある。

  • 上位15%と上位1%を比較すると、1.01倍から6.58倍ほど生産性に差がある。

  • 上位3%と上位1%を比較すると、-1.04倍から2.47倍ほど生産性に差がある。

  • 上位2%と上位1%を比較すると、-1.24から1.57倍ほど生産性に差がある。

ここから得られる教訓は次のとおり。

  • 優秀な人材が多すぎたとしても基本的に、会社に利益をもたらしてくれる。

  • 優秀な人材が集まるメリットは、徐々に下がってくるが業績を悪化させる訳ではない。

  • 上位15%では、1%にほとんど敵わないか、よくて同じくらいの生産性。

  • 上位3%となってくると、いよいよ1%と良い勝負をするようになってくる。

  • 上位2%と1%は、時々順位が入れ替わる。

  • 優秀な人材を集めるための資本が無尽蔵にあれば、永遠に集め続ければ良い。ただ、無尽蔵に資本を持っている企業はいない。初めのうちは費用対効果は大きいが、優秀な人材が増えるに従って徐々にその効果は減衰する。業績への効果がマイナスになることはないが、十分なほど優秀な社員がいる場合はそれ以上に無理して集めなくとも良い。


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Q1 優秀な人材ばかり集まってしまうと、お互いのプライドがぶつかり合い協調性が下がってしまい、最終的には業績は悪化する。これは正しいと言えるか? はい いいえ


Q2 この論文では、優秀な人材を「IQが高く、誠実性が高い人」と定義づけているか?違う場合、実際の定義を述べよ。


Q3 上位2%と1%が競り合うと、時々順位が入れ替わることがある。これはすなわち、業績が悪化することを意味するか?意見を整えた上でディスカッションせよ。




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