情報フィルターには大きく二種類ある
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第二章
臨場感の高め方
前章ではゴールの設定方法について解説しました。 この章では設定したゴールの臨場感を高め、脳が新しい未来記憶を選択するように仕向けやすくする方法を解説します。
臨場感を高める方法は以下の通りです。初見でもし内容を完全に理解できた場合、今日から早速マスターコーチを名乗って後進の育成に努めてください。
「臨場感を高めるには、はじめにゴールを設定し、脳の情報フィルターの切り替えるを脳に任せる。その次に、ゴール達成に関連するアファメーションを設定し、それに併せてセルフトークも見直し、自動思考の切り替えをバックグラウンドで進める。アファメーションを通じてエフィカシー、コンフォートゾーン、セルフイメージを高く大きく広げ、未来記憶に対する臨場感を高めつつ並行して現状に対する違和感を最大限に高めること。」
となります。
聞きなれない専門用語が多すぎて、現時点では理解不能で難解な印象を抱く方が大半かと思います。当面は、この説明文がすんなりと理解できるようにそれぞれの専門用語の解説とその繋がりに数ページ割きます。手短な説明だと、より一層の混乱に繋がるだけなので一つ一つ丁寧に事例などを挙げながら進めていきます。
情報フィルターとは?
情報フィルターとは、私たちが普段受け取る様々な刺激や情報の無意識に行われる取捨選択のことです。
情報フィルターは大きく二種類に分けられます。一つは「馴化(じゅんか)」です。これは、刺激に慣れて感じにくくさせることをいいます。もう一つが、「選択的注意」です。これは、どこに注意を集中させるのか、どこに注意を分配するかのことです。
お互いにちょうど逆の作用のフィルターで、それぞれの相互作用で私たちは普段ストレスフリーに生活ができています。逆に、このフィルターがうまく機能していないと、こだわり行動、感覚過敏や不安神経症の原因の一部となります。では実際に例をあげて見てみましょう。
馴化
感覚フィルター
本を読んでいる最中に椅子の感触の柔らかさや硬さなどいちいち気にしていません。
着ているシャツが直に肌に触れていて感触があることも忘れています。
伸びた髪の毛が耳にかかっていることも忘れています。
外から聞こえる車の音もほとんど気にしていません。
明日の予定のことも気にしていません。
読んでいる本の1ページ前の文字数など覚えていません。
表紙がどんな色だったかも覚えていません。
さっきまで香っていたコーヒーの匂いも感じなくなります。
不安フィルター
人見知りだった子供も、何度か会うと慣れて不安ではなくなります。
慣れないことに挑戦して怖かったのも慣れて不安ではなくなります。
選択的注意
選択的注意フィルター
ポジティブ思考な方は、「嬉しい、ラッキー、勝利、平和、愛情」などの肯定的な言葉には注意が向きやすいですが、否定的な言葉には気づきにくいです。
ネガティブ思考の方は、「悲しい、不運、敗北、戦争、憎しみ」など否定的な言葉には注意が向きやすいですが、肯定的な言葉には気づきにくいです。
ポジティブ思考の方は、道端の500円玉に気がつきやすい代わりに、ハエの死骸には気づきにくいです。
ネガティブ思考の方は、ハエの死骸に気がつきやすい代わりに、道端の500円玉には気づきにくいです。
ポジティブ思考の方は、チャンスに気づきやすいです。
ネガティブ思考の方は、気分がげんなりすることに気がつきやすいです。
ピンク色の車を探そうと決めたら、ピンク色の車が見つかり、反対にパンダの形の車にはなかなか気づきません。
図書館で万葉集を探そうと決めたら、万葉集には気づきますが、なぜかすぐ近くにあったドラえもんの39巻には気づきません。
『観たことがある映画全てをリストアップせよ』と言われたら非常に難しいものの、情報を絞って『スタンドバイミーをみたことがあるか』と聞かれたら「ハイ」と答えられるが、「ついでですが、踊る大捜査線ザ・ムービーもみたことがあります!」と即答できません。
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