現状維持の機能や平均回帰の壁を乗り超えることは可能なのか?

March 11, 2018

セルフコーチングその1

 

 

序章

 

以下の質問にお答えください。

 

【第一問】

 

鈴木という女性がいます。

 

彼女は小さい頃から両親と弟の四人で暮らしており、一戸建ての中流家庭で育ちました。性格は穏やかで、人と接するのは好きです。裁縫や料理が得意で短期大学では家庭科を専攻していました。現在は結婚しており、夕方は夫の帰りを待つ間に夕飯の支度をするのが習慣です。まだ子供はいませんが欲しいと考えています。

 

鈴木さんの10年後を予想するとして、可能性が高い順に並べ替えてください。

 

A) 常にスリルを追い求め、再婚と離婚を繰り返しながら子供を6人産み、シングルマザーとなる。

B) 特に生活に不満はなく、夫は順調に出世し、子供二人を育てながら一戸建ての家をローンで買う。

C) 今の状況に強烈な違和感を覚え、それを解消すべく行動し、年商300億のやり手の女社長となる。

D) 自分の料理の趣味が高じて、ママ友と料理教室を開く。最終的に町一番のカフェのオーナーとなる。

 

←可能性が高い  1   2   3   4      可能性が低い→ 

 

【第二問】

田中と言う女性がいます。

 

彼女は小さい頃から両親と弟の四人で暮らしており、一戸建ての中流家庭で育ちました。性格は穏やかで、人と接するのは好きです。裁縫や料理が得意で短期大学では家庭科を専攻していました。現在は結婚しており、夕方は夫の帰りを待つ間に夕飯の支度をするのが習慣です。まだ子供はいませんが欲しいと考えています。

 

 しかしある時、神のいたずらか、はたまた悪魔の取引か、田中さんの体がビルゲイツの魂に乗っ取られます。マイクロソフトの創業者であり、純資産は日本円に換算すると8兆円を超える資産家のビルゲイツが田中さんの体の中に閉じ込められます。このまま、一生ビルゲイツは自分の本来の肉体に戻ることはできません。この日からビルゲイツは田中さんとして生きていかなければなりません。

 

ビルゲイツ(=田中さん)の10年後を予想するとして、可能性が高い順に並べ替えてください。

 

A) 常にスリルを追い求め、再婚と離婚を繰り返しながら子供を6人産み、シングルマザーとなる。

B) 特に生活に不満はなく、夫は順調に出世し、子供二人を育てながら一戸建ての家をローンで買う。

C) 今の状況に強烈な違和感を覚え、それを解消すべく行動し、年商300億のやり手の女社長となる。

D) 自分の料理の趣味が高じて、ママ友と料理教室を開く。最終的に小さなカフェのオーナーとなる。

 

←可能性が高い  1   2   3   4     可能性が低い→ 

 

この質問から何がわかるか。

 

この2つの問題を解かせると、面白いほど一貫性のある答えが浮き彫りになります。1問目の鈴木さんの場合、10年後に『年商300億円の女社長』になる可能性が、『子供を二人育てながら一戸建ての家をローンで買う』可能性を上回ることがほとんど無いと考える人が多いです。つまり図式化するとこうなります。

 

鈴木さんの場合

 

年商300億の女社長 < 子供二人を育てながら一戸建ての家をローンで買う

 

一方で、田中さんの場合は10年後の予想ではこの逆になることが多い傾向にあります。10年後に『子供を二人育てながら一戸建ての家をローンで買う』可能性が、『年商300億円の女社長』になる可能性を上回ることが無いと考える人が多いです。つまり図式化するとこうなります。

 

田中さんの場合

 

年商300億の女社長 > 子供二人を育てながら一戸建ての家をローンで買う

 

 この違いを生むのは一体なんなのでしょう?似たような家庭環境を過ごし、似たような性格の女性で似たような人生を歩んでいる二人です。唯一の違いは、ビルゲイツの魂が憑依したかどうかだけです。

『たとえ元々は穏やかな女性であったとしても、ビルゲイツの魂が乗り移ったなら田中さんはいずれは金持ちで実業家になるのも納得できる』と考える人が多く、別人であってもビルゲイツのマインドや世界観を持っていれば本来のビルゲイツの生活水準に戻ることはできると理解していると言うことです。

 逆に、鈴木さんの場合『鈴木さんは別にビルゲイツの魂がのり移っていないから、10年経っても彼女は彼女のままでいるのは、もっともらしい』と考える人も多いです。つまり、主婦の目線のマインドや世界観を持っていれば、10年経っても現状は大きくは変わらないと理解していると言うことです。

これらを十分に意見交換をしたあと、次の問いを出すととても興味深いことが分かります。

 

【第3問】

 

佐藤と言う女性がいます。

 

彼女は小さい頃から両親と弟の四人で暮らしており、一戸建ての中流家庭で育ちました。性格は穏やかで、人と接するのは好きです。裁縫や料理が得意で短期大学では家庭科を専攻していました。現在は結婚しており、夕方は夫の帰りを待つ間に夕飯の支度をするのが習慣です。まだ子供はいませんが欲しいと考えています。

 

 たまたま佐藤さんがビルゲイツの自伝書を読んでいる時、地震が発生しました。落ちてきた本棚の下敷きになり、強く頭を打ちます。それから数日後に病室で意識が回復しました。夫が安心して彼女に声をかけると、こう返事されました。『誰だお前は、私はビルゲイツだぞ?ここはどこだ。私の豪邸、私の高級車、私の自家用ジェット機をどこにやった。』どうやら、彼女は記憶喪失になっただけでなく、最後に読んだビルゲイツの自伝書の内容がそっくりそのまま彼女の記憶や人格に取って変わってしまったようです。ビルゲイツのコネ、経験値、スキル、慣れ、英語力、運などはこれっぽっちもありません。当然ですが、彼女の能力そのものにはなんの変化もありません。結局、自分がビルゲイツでは無いことを思い出したのはそれから20年後のことでした。

 

佐藤さんの10年後を予想するとして、可能性が高い順に並べ替えてください。

 

A) 常にスリルを追い求め、再婚と離婚を繰り返しながら子供を6人産み、シングルマザーとなる。

B) 特に生活に不満はなく、夫は順調に出世し、子供二人を育てながら一戸建ての家をローンで買う。

C) 今の状況に強烈な違和感を覚え、それを解消すべく行動し、年商300億のやり手の女社長となる。

D) 自分の料理の趣味が高じて、ママ友と料理教室を開く。最終的に小さなカフェのオーナーとなる。

 

←可能性が高い  1   2   3   4     可能性が低い→ 

 

考察

 

『記憶喪失になった佐藤さん』の場合でもやはり、『魂が乗り移った田中さん』ほどでは無いものの『子供を二人育てながら一戸建ての家をローンで買う』可能性が、『年商300億円の女社長』になる可能性を上回ることが無いと考える人が多いです。つまり、病的なレベルで自分が別人であると確信しているだけでもビルゲイツの生活水準にまで近づけるのはもっともだろうと考える人が大半であると言うことです。

 

 鈴木さん、田中さん、佐藤さんの三人に対するもっともらしく感じられる10年後にはある共通点があります。それは「平均回帰の法則」あるいは「現状維持の法則」に見事に当てはまっている点です。

 1問目の鈴木さんは、現状の延長線上にある一軒家かせいぜいカフェを持つと考えられ、2問目のビルゲイツの魂が憑依した田中さんは、ビルゲイツから見て現状の範囲内の年商300億の社長になるのがあり得そうで、3問目のビルゲイツと思い込んでいる佐藤さんも同じくビルゲイツの平均への回帰として年商300億の社長となると考える人が大半です。

 つまり、この質問に答えた人の大半が知ってか知らずか、『平均回帰』や『現状維持』の法則を当てはめて答えていると言うことです。

 

 ここで浮上する疑問が、記憶喪失や魂の憑依など非現実的なシナリオではなく、健康的に自我を保ち、なおかつセルフイメージはビルゲイツの平均にまで持っていけたらどうなるでしょうか。つまり、今までの過去からの蓄積である古い自分と、未来に対する別の自分の記憶の二つを持つとどうなるのでしょうか。

 脳は古い自我と新しいセルフイメージの存在に混乱し拒絶するのでしょうか。それとも脳は両方の存在を同時を受け入れるのでしょうか。はたまた、脳はもともとある自我か新しく作ったセルフイメージのどちらか一方だけを選んでそのもっともらしい平均へと回帰しようとするのでしょうか。

 

 最新脳科学ではついにこれら長年の疑問に決着がつきました。それらを応用して実際に様々な分野で驚くべき結果を出すことに成功しました。次章では実際に結果を残した企業、スポーツ選手、学生などのデータを紹介します。

 

続く

 

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