top of page

『問題行動の多い有害社員はクビにしてしまえ!』有害社員の行動と影響について脳科学業績コンサルタントが解説

更新日:2023年3月13日

 有害社員という言葉を聞いたことはあるだろうか。海外ではtoxic emploeeという表現が使われる。意味としては、職場で問題行動を起こし組織の生産性を落とす人のことをいう。問題行動には大きく分けて2種類存在する。人に対して行われるものと、企業に対して行われるものだ。具体例をあげると次の通り表にまとめた。


 

 この表を見て、過去に働いたちょっとクセのある人や、嫌になった人を思い出すかもしれない。嫌味の多いお局、楯突くことが多い身勝手な社員などを思い出すのではないだろうか。直感的にも「あぁ確かに生産性下がるのも分かるな。」と実感するかもしれない。しかし、ただ連想して思い出すことができたり、直感的な理解だけでは問題社員の悪影響を証明したことにはならない。そこで調査をし、各種データを集めて一枚の表にまとめた。

 

 改めて数字で見てみると、その影響力の凄まじさはよく分かる。まず、コストカットの平均金額から見てみる。あなたが社長であれば、有能な社員を一人は雇うことができれば間違いなく嬉しいだろう。企業にもたらすリターンを期待するはずだからだ。また研修費用も少なく済み、即戦力として成長スピードも周りの平均的な社員よりも速い。いずれはマネージャーなど複雑な労働を任せられるように経験値を積むはずだ。


 上位25%の優秀な人材を見つけることができれば、一人当たりのコストカットは1,591ドルとなる。1ドル100円としたら、16万円近くのコストダウンだ。もし上位1%の非常に優れた社員を雇うことができれば、5,303ドルのコストダウンである。日本円にすればおよそ50万円以上の効果があることになる。


 では、有害な社員を一人予防する、対策するなどした場合どれほどの効果が見込めるのだろうか?


 たった一人の有害社員を排除するだけで、その効果は12,489ドルになる。日本円に換算すれば120万円以上の効果がある。これは、100人に一人いるかどうかと言われる優秀な人材を二人雇ってもまだ有害社員一人が上回ることを意味する。それほど有害社員による影響は大きい。なぜ大きいのだろうか?そのヒントとしては、隣の「有害社員による悪影響」に答えが載っている。


 有害社員は20人に一人はいるとされている。そのような状況で働くとそのチームはどうなるのだろうか?


 まず、有害社員がチームにいることでどんなことが起きるのか考えてみよう。


 有害社員は能力が低いことが多い。能力の低さを指摘されると環境や他人のせいにすることが多い。また研修にも時間がかかるため必要以上のコストがかかる。


 あなたは有害社員から嫌味を言われたり、引き起こしたミスなどの尻拭いで自分の業務に支障が出る。これが蓄積してくると、思っている以上にあなたの生産性は下がる。これにより対人関係のストレスで毎日憂鬱な気持ちで職場に向かことになる。


 会社自体は良いものの、その有害社員がいることで気が滅入るわけだ。そこで上司に直訴する。「あの有害社員のせいで、みんな困っている。残り18人全員の生産性まで下がっている」と。これで解決すると思いきや、そんなことはない。有害社員は上司の前では器用に尻尾を振って可愛がってもらっている。上司からすれば「あんな可愛いやつがそんな裏表のある有害なやつなはずがない」と心の底から信じているため、部下は上司の目を節穴だと思い信頼を無くす。結果として、会社への忠誠心は下がってくる。


 しかし会社を辞めるのにも勇気がいるため、とりあえず出社する。従業員の10人近くは会社に対しての忠誠心が大幅に下がっており、節穴の上司に対しても復讐心すら湧いている。その10人の社員は、報復行動として組織に有害な行動をとるようになってくる。意図的な低活動、ハラスメントやゴシップ、顧客への八つ当たりなどが増えてくる。これが続けば当然、顧客満足度は下がり離れていく。これは組織にとっては痛手だ。

 有害社員が一人いるだけで、そのチームのおよそ50%が有害社員へと変化する。本来真面目だった仲間の半分が、次々とダークサイドに堕ちてしまった状況を歯痒い思いで何もできないまま変えられなかった自分の無力さを思い知ることとなる。


 こんな状況が続くと、超優秀な人材が一人や二人ほど入ったところで焼け石に水である。根底から変えなければならないほどすでに甚大なダメージを負ってしまっている。これで有害な人材の予防コストが一人につき12,489ドルとなる理由がわかっていただけたかと思う。



Q1 あなたが採用担当者だった場合、採用してもよいと考える人材はどれか丸をつけなさい。理由も述べよ。

【 こだわりと正義感が強い人   誠実な人  自己愛の強い人  勤勉な人 】


Q2 有害な人材を探して予防するには、どのような面接テストを行うことが望ましいか意見を整えた上でディスカションせよ。


Q3 過去に有害な社員がいたことで苦労したことがあった場合、どのようにして乗り越えたかを思い出し、ディスカッションせよ。


動画はこちら



bottom of page